2010年03月07日

本日の舞台。文楽地方公演2010

今年も瀧水さんと観に行って来ましたー!

昼の部
・卅三間堂棟由来(さんじゅうさんげんどうむなぎのゆらい)
 平太郎住家より木遣音頭の段
・本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)
 十種香の段
 奥庭狐火の段

夜の部
・絵本太閤記
 夕顔の段
 尼ヶ崎の段
・日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)
 渡し場の段

上演前に簡単な解説が入るんだけど、ここ数年は簡単な解説になっててしょんぼりだわぁ。
以前は太夫さんとか人形遣いさんとか順に出て来てそれぞれの解説をして呉れてたのになぁ。最近は一人がざっと歴史を説明して、これから上演される物の話をさらっと解説するだけです。

それはそれとして毎年楽しみの物販が!(゚∀゚)
大道具さん手作りの頭(かしら)をモチーフにしたストラップが!
毎年釣られてるけど、今年も釣られたよ‥‥!だって狐忠信が‥!今年は鼓を銜えてるバージョンのがあったんだもん!
一昨年、ノーマル狐忠信。去年、口を開けた狐忠信。今年、鼓を銜えた狐忠信‥‥。こうしてウチにはバージョン違いの狐忠信が3つになりました‥‥w
これ一つ1500円だから、3つで4500円だと思うとちょっと怖いw使わずに飾っておりますww

そんで、今回は個人的に念願の本朝廿四孝の奥庭狐火の段が観れたのが!何より万歳!

て事で以下感想とか色々。
簡単な解説も入れておきまー。



卅三間堂
後白河法皇が建てさせた京都の三十三間堂の由来を題材としますが、ここでは時代を少し遡らせて、白河法皇の建立としています。
熊野山中の谷で、枝を交わし夫婦となっていた梛(なぎ)と柳の大木。その枝を切り離した修行僧、蓮華王坊は夫婦仲を裂かれた柳の精の恨みによる物か谷に落ち、柳の梢に突かれて死亡。転生して白河法皇になりました。
一方、梛は横曽根平太郎に生まれ変わりましたが、柳は柳のまま‥。

平太郎住家より木遣の段は、柳の精が人の姿となり、その正体を隠したまま平太郎と結婚。子供をもうけ幸せに暮らしていたけど谷の柳の大木が切り倒される事になり、一緒に暮らせなくなっちゃうって辺りのエピソードです。

白河法皇の頭痛が止まないのを調べたら、前世の坊主の髑髏が柳の木の枝に刺さってて、それが風に吹かれる度に頭痛がするんだよ!だからこの柳を切ってその木でお堂を建てて、そのお堂にその髑髏を安置すれば万事解決!って理由で。

それは余計祟られるんじゃまいかとか思うんじゃが、そこはそうでも無いのか。
取り合えず前世分をどうにかして頭痛を取り除ければ良いのか。

柳の精、お柳が眠る平太郎の枕元で実は人間じゃない事を明かして、前世から夫婦である事を告げる。お柳の鳴き声に平太郎が目覚めてお柳を去らせまいとするんだけど、消えてしまうのねー。柳が切り倒されると柳の精のお柳は消えてしまうから。現在切り倒され最中で苦しんでいるので。ここらはもう別れの辛さの泣きのターンですよ。

お柳が人間の姿から柳の精に姿を変える所が一瞬の早業でびっくりしたー。
あれは花競四季寿の鷺娘とかみたいに引き抜きじゃぁ無いよねぇ?髪形も変わってたし。人形を丸っと入れ替えたのか?
一瞬過ぎて分からなかった。

そんで母親が消えた後、目覚めた子供が母親を探して泣くんだけど、悲嘆に暮れる家族の前に再び姿を現す柳の精のお柳。
この時の登場の仕方が、壁の一部が斜になってて、後ろからの照明で浮かび上がるように見える演出だったのねー。
ぼや〜っと現れるみたいで面白かった〜。

そんで、平太郎に例の髑髏を渡すんですね。「これを持って行って手柄にしてね」って事で。
で、今度こそ消えてしまうお柳。今度は建物の入口から外に出るので、そのままはけてしまうのかと思ってたら、塀の所がどんでん返しになっててくるっと回って消えました。すげー!
話は正直地味な辺りなんだけど(わー)、見せ方は面白いなぁと思いました。

切り倒された柳を運ぶ所に現れる平太郎親子。
それまで動かなかった大木が、平太郎が木遣音頭を唄い、子が引くと簡単に動いた所で終わるんですが、木を運ぶ人足たちの細かい動きが面白かったです。
驚いた所とか、ちょっとした動きでそう見えるのとか、やっぱり凄いよなぁ。

そうそう、切(後半の太夫と三味線)は咲.太.夫でしたよー!!
やったー!!!咲.太.夫.素敵ー!!

そう言えば今年は咲.寿.太.夫.は来てなかったなぁ。残念。咲.甫.太.夫.はもう鉄板なので安心です。



本朝廿四孝
諏訪法性の兜は、諏訪明神から授かった武田家の重宝。これを謙信が信玄から借りた事が原因で両家は不仲に‥。と言う設定。

不仲の両家の橋渡しの為に、武田さんちの勝頼と長尾さんちの八重垣姫の婚儀が進められる訳ですが、将軍暗殺の疑いが両家に掛けられた為、潔白を示す為に勝頼くんが自害します。
が、この勝頼君は実は勝頼本人では無かったのです!悪事を企む家老が生後間も無く瓜二つだった自分の子と取り換えていたのです(バーン!)。そして信玄はそれと知りつつ何が起こるか分からない戦国の世なのでそのままにしていたのです(ババーン!)。
て事で、本物の勝頼君が復活して、改めて兜を取り戻す為に奔走するんだぜ!って辺りまでがここまでのお話し。

十種香の段では許嫁の勝頼の死を嘆く八重垣姫の元に、身分を隠した勝頼が八重垣姫さんちに潜り込んで、「勝頼」と恋仲だった腰元の濡衣(これが名前なんだからややこしい)と力を合わせて兜を取り戻そうぜ!って感じの話。

セットは左右に部屋があって、真ん中が空間になってるお屋敷内の状態。
上手側に八重垣姫がいるらしく、障子が閉まってるんだけど、八重垣姫の様子を窺う感じになると障子の向こうでちょっとロールカーテンが上がるみたいな感じで障子の紙の部分が半透けの状態になってちょっと見える感じになるのが面白かった。
反対側の腰元濡衣の方は手前の障子がすぱーんと開くので丸見えなんだけど、この辺は高貴なお姫さまの奥ゆかしさ的な表現なのかなー。

八重垣姫が死んだ許嫁の絵姿を見て涙に呉れてる場面で‥‥儂等の席、前の方の下手側だったんだけど、絵姿が全く見えなかったw
後から障子が外されて見えるんだけど、箕作(勝頼の世を忍ぶ仮の姿)の衣装と全く同じ格好の絵姿で笑ったw分かり易いwww

それにしても蓑作の姿を見て「勝頼様だ!」と心を寄せる八重垣姫なんですが、確かに見た目はそっくりで、本来の勝頼ではあるんだけど、姫の許嫁だった勝頼とは別人な訳で。
なのに勝頼(本物)の為に命を懸けて兜を取り返そうとする八重垣姫‥‥。
微妙に複雑な気分‥‥w
本人なんだけど別人。だけど思いを寄せる‥‥。「別人だよ?」と思わないでも無いんだけど、まぁ元々家同士が決めた許嫁だから本人の資質やら云々は関係無いのかなぁ‥‥。時代的な考え方は難しい。

まぁ文楽では良く有る話なので(文楽と言うか、伝統芸能)その辺は「そういう物」と言う事で受け止めるしか。

で、蓑作と濡衣が兜が欲しいんだー、って言うのに、八重垣姫が兜をどうにか渡してやりたいと決心するんですが、ここに登場謙信様。
まー、悪人悪人wwwww
流石設定上では信玄から借りた兜を返さない悪い人wwwww
蓑作と濡衣の正体を見抜いて勝頼を討つ為に追っ手を差し向けようとする訳ですよ。それを八重垣姫が許嫁の命を助けてと必死に嘆願するんだけど聞いて貰えない、とここまでが十種香の段。


それから奥庭狐火の段ですよー!

この段では琴が入ります(通常は太夫と三味線のみ)。去年までは琴は龍爾さんだった気がするけど、今年は寛太郎さんが琴でした。龍爾さんはツレ(二人目の三味線)で登場だった。

明神さんの使いの狐が出てくるので、冒頭で緑色の火の玉が2つ出てきました。本物の火。「おお!」と思ったけど、隣の瀧水さんが無反応だったから「ん?」と思って瀧水さんをチラ見したら双眼鏡で琴とかガン見してました。それは仕方無いw

て事で冒頭は狐が出ます。舞台中央付近の石灯籠の窓の部分の障子を突き破って顔を出して来て「おお!!」って感じだった。しかも灯籠の横からするりと狐が出たら瞬時に障子が破れてない物に戻ってこれまた「おお!」って感じでした。
狐の動きが細かーい!狐忠信でも見るけど、白狐の動きは本当に動物っぽい。
薄暗い舞台を舞うように駆け抜ける狐。お堂?に置かれた諏訪法性の兜(信玄が戦に出る時に被ったと言われる物。白熊(はぐま)が付いた状態なのでもっふもふ)の白熊部分がふわりと浮いて、その下に消えて行った‥‥っぽいw
自分等の席は下手過ぎて良く見えなかったw

さてそんで登場する八重垣姫。兜の前で諏訪明神に祈ります。
許嫁を助けたい、非常な父を恨み涙に暮れる八重垣姫。
討っ手より先に勝頼に追い付いて危険を知らせたいと思うけど、凍ってる湖に船は出せない。陸路を行っては間に合わない。

翅(つばさ)が欲しい、羽が欲しい。飛んで行きたい、知らせたい。逢いたい、見たい。

名台詞キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

そして兜を手に庭の泉水を覗き込むと、水に映ったのは姫の顔では無く明神の御使いであり兜を守護する白狐でした。
橋の上から水を覗くんだけど橋の下の水を描いてある所に小窓みたいな感じの部分があるので、ああ、あそこに何が出るんだなー、ってのはあったけど、狐の絵が一瞬でぱっと出てぱっと消えるのがまた手早くて凄いなぁと。

そんなこんなで
凍った湖上を神の狐より先に渡ると溺死すると言われる諏訪湖。この冬はまだ狐が渡ってませんが、兜を護る狐が現れたのは明神様が狐と一緒に凍った湖を渡り、兜を勝頼に返せと言う明神様の教えに違いない、と察した姫の周りには沢山の白狐が現れます。

狐と共に兜を手に舞う姫が美しいんだー!
もうポーズとかもいちいち絵になる感じ!素晴らしい!

うっとりした所で幕です。
これで昼の部は終了。
あー、面白かった。



昼の部と夜の部の間は近場の喫茶店で一休み。
この会場周辺、本気で店が少ないよね‥‥。
近隣施設でホールが3つある訳なんだから時間潰し用にコーヒーショップとかファストフードの店とかもっと出せば良いのに‥‥とか思うんだけど、人が集中する時間帯が限られるから出店には向かないんだろうなぁ(苦笑)

そんなこんなでちょいと一休み。
夜の部の時間になって戻ります。


夜の部は6列目真ん中!見易い席だよー!ちょっと首が疲れるけどw

絵本太閤記
本能寺の変辺りからの明智光秀(がモデルの人物)の13日間を13段で描く時代物。
一応人物とかそのまんまにすると幕府から「めっ!」って言われる時代の作品なので、登場人物の名前はちょいちょい変えてあります。明智光秀は武智光秀。羽柴秀吉は真柴久吉。織田信長は尾田春長。

天下統一を目前に控えた尾田春長。鬼の再来と怖れられるその暴虐非道な行いを諌め続ける忠臣武智光秀。
光秀に謀反の疑いを抱く春長は、心底を探ろうと光秀の眉間を家来に打たせ、辱めました。これにも堪えましたが、その後も続く無茶振りに堪忍袋の緒がちょっきん。ついに主君を討つべく挙兵。春長を自害に追い込みます。
これを知った久吉は光秀を討つ為に急遽戦いの相手と和睦を結んで都を目指します。で、そこで待ち受けていた光秀との戦いの最中に旅僧に姿を変えて逃走するのでした。
って所までがここまでのお話。

夕顔棚の段では光秀の主君殺しを嘆き、先祖の恥だと厭い光秀の元を去って一人で暮らす光秀の母さつきの居る尼ヶ崎での話。
そこに孫の十次郎が初陣するとその許嫁の初菊と光秀の妻操から知らされます。そんな所に訪れたのは宿を乞う旅の僧。

その僧を物陰から見てる派手な衣装の笠を被った謎の人物‥‥。
まぁ光秀ですよね。分かります。
舞台下手の物陰にホントにひっそりいたから我ながら良く気が付いたと思う位ひっそりだったw

これに気付いた老母は、旅僧に風呂を沸かして入るように勧めます。
この辺の旅僧(に扮した久吉)の喋りは秀吉のイメージはこんなんだろうなぁ、と言う軽妙な物。最初から武士だと「風呂沸かして入りなよ」って言われても風呂も沸かせないんじゃないんかなー。その辺は秀吉だから楽々なんだろうなー、とか思いながら見てみたり。
で、旅僧が風呂を沸かしに行った所で孫の十次郎が登場。

あ、袖の下に籠手っぽいの付けてるや。細かいなぁ。
この後鎧を着用すんのかなー、とか思いつつ。でも着用するならもう準備したヤツと入れ替えるんじゃないかなぁとも思いつつ。

初陣の挨拶に訪れた孫に、老母は許嫁の初菊との祝言を挙げさせようと準備をする事に。
初陣で討ち死にするだろう孫に祝言を挙げさせようとする老母の心情とか、祝言の後にすぐ出陣してしまう、もう二度と生きて会えないかも知れない十次郎と初菊。
戦国の世の人々の心情は切なく儚く、そして深い。

この後から尼ヶ崎の段。
長いよ!この段だけで1時間越えだよ!

鎧姿で再登場の十次郎。一回引っ込んで衣装変わって出て来てるから、人形ごと変わったのかは分からないなぁ‥。準備を考えたらまるっと違ってると思うんだけど。
で、一人秘かに親に先立つ不孝を詫びる十次郎。何も知らずに祝言を喜んでいた初菊もこれに気付き、思いもよらない別れに嘆きます。
互いに哀しみを押し隠し、祝言の杯を交わします。

‥‥‥こんだけごそごそやってて、風呂を沸かしに行った旅僧は気付かないモンなんかいな‥‥。

で、祝言が終わって十次郎が出陣して行った後に風呂が沸きましたよ、っと旅僧再登場。
老母は「年寄りには一番風呂は良くないからお先にどうぞ」と旅僧に風呂に入る事を勧めます。
そんならまぁと風呂に行く旅僧。

旅僧が風呂に入ったと思った所で光秀登場。
下手に並んだ竹を一本引っこ抜いて、更にその竹をすぱーんと切って竹槍にします。
このすぱーんと切れる所がまた凄い。小道具すげぇ。

そしてその竹槍を手に、湯殿の障子越しに一息にぶっすりと‥‥!
刺した相手を引き出すとそれは年老いた己の母!

光秀に気付いていた老母は主殺しの罪深さを思い知らせようと自ら身代わりになっていたのです!ズギャァーン!

呆然とする光秀に改心を訴える妻。
しかし他人にどう非難されようと理解されなくても、天下万民を暴君から救う為に行った事だと光秀の心は揺らぎません。

しかしこんだけ大騒ぎしてるのに旅僧はどこに行ったんだろう。

そこに戦で傷を負って瀕死の十次郎が戻ってきます。
瀕死の状態にありながらも父の身を案じ、早くこの場を去るように勧める十次郎。
息子を失う哀しみに泣き叫ぶ妻。一緒に死にたいと嘆く嫁。
心を鬼にしてる光秀も流石に目に涙を‥‥。

と、この間、老母も瀕死の重体のまんまなんです。

やいのやいのと大騒ぎしてる間。1時間近く老母は伏したままふるふると微かに震えるばかり‥‥。
息子も瀕死で似たような状態で‥‥。
お願いだからせめて年寄りだけでも一息に楽にしてやっては上げられない物かと‥‥。

ついでに老婆を刺した竹槍の先も刺さったままだよ‥‥。
てゆか刺した後に長い部分を切り落として刺さった部分だけをぶっ刺してる状態なんだけど‥‥。実際あんな状態だったら、竹の節の部分が無くなったらそりゃぁ凄い勢いで血を出す道具に早変わりだよなぁ‥‥。失血死確実‥‥。
そんな状態で1時間だよ‥‥。
もう、光秀を囲んでやいのやいのやってる間もそこが気に成って気に成って仕方無かったですw

まぁそんなこんなもありつつ、そこににわかに聞こゆる騒音。
セットがどわーっと動いて、下手にあった竹が下がり、変わりに松の木が登場。家も上手側にちっと動きます。
おお、凄いな。

騒音に光秀が松の木に上り、枝の上から辺りを見渡せば‥‥。

背景の黒幕がざっと落ちて、その後ろから海辺の景色が!おお!!
久吉の大軍が押し寄せて来てるって事で、波間の船が描かれております。

いざ、と勇む光秀に、ここに旅僧姿を改めた久吉登場!どーん!

あんだけ大騒ぎしてる間に出てこなかったのは、この装束に着替えていたからなんだね!(そう言う訳でも)
光秀と久吉は対峙し、いざここで勝負を‥!

と言う所で幕でした。

所で名前とかは変えてあるけど、光秀の嫁さんの着物とか十次郎の鎧とかに入った紋はしっかり桔梗紋でした。
あの辺、当時はどうだったのかなぁ。
でも光秀の鎧に入った紋は片喰(かたばみ)みたいな花びらだった。良く見えなかったけど、嫁さんとかの紋もこっちだったのかなぁ。

後、久吉の紋は桐は桐っぽかったけど、花が真ん中に一本だけだった。ような気がする。

でも千成り瓢箪は出て来た。金ぴかのアレ。馬印の。
直接出して無いようで結構そのまんまだなぁってのは多いのかなー。

そんなこんなもありつつ、長丁場の絵本太閤記終了。
休憩を挟んで日高川。
渡し場の段を見るのは二度目です。


日高川は見せ場の渡し場の段のみなので割とさくっと終わる感じ。
道成寺の安珍清姫の話を題材にした話。
渡し場の段では、日高川の渡し場に恋しい安珍を追いかけて来た清姫が、登場する所から。
安珍は清姫が勝手に許嫁と思い込んで恋い慕ってるんですが、当の安珍は他の女性と川を渡って行った次第で。

(文楽のパンフでそこまで解説が無いのでそこは不明ですが、通説では清姫んちに毎年やって来てた旅僧の安珍を、清姫の父ちゃんが「あれが将来お前の旦那さんやぞー」と言ったのを信じ込んで育ったっつー感じの。道成寺の伝説では「私は僧なので結婚は出来ません」と言って拒むんだけど、この話では安珍は実は身分の高い人間の世を忍ぶ仮の姿で、本来の許嫁と一緒に道明寺を目指してる所)

清姫は渡し守に川を渡してくれと願い、急かしますが、渡し守は先に川を渡った安珍に「後から来る若い女性が川を渡してって言っても渡さないでね!」と小銭込みでお願いされてるので、のらりくらりと交わします。
どうにもこうにも埒が明かないので、ついに清姫の哀しみは嫉妬に変わり、憎しみに燃えた姿は鬼女の姿に‥‥!
驚いた渡し守もスタコラサッサだぜー!

これではもはや安珍と一緒になれないと思った清姫は、恨みを晴らすべく火炎を吐きながら川に飛び込みます。

いやいや、一緒になれない理由は姿が変わったからって訳じゃない事に気付こうぜ!
とは言ってはいけないお約束w

川に飛び込んでからの川の表現が面白いんですよー。
手前には川面を描いた板が立ててあるんですが、その後ろから更に波を描いた布を動かしてうねる波を表現。
その波の間を泳ぐ清姫。波間に姿を見せつつ隠れつつ‥‥。
の合間の一瞬で姫の姿が恐ろしい鬼女の姿に早変わり!

鱗模様の着物、蛇体を表す長い裾。角の生えた面に鬼の形相。その姿で波間を進みます。
この時の人形の遣い方が割とあれでw
いやもう激しい上下運動ですよね。

そして対岸が近付くとまた元の姿に一瞬で戻る!
いやー、凄いですね〜!

とうとう川を渡り切った清姫。
そこでこれまた背景が一気に変わって桜の咲く山々の景色に。おおー!

その背景を背に恨みを晴らしに行くぞー!と言って、これで幕。

げに女の執念は恐ろしい。

所で川を渡る前が「日が暮れそうだから、暗くなる前に早く渡して!」って感じだったんだけど、この渡り終わった所で現れる背景はどう見ても朝で。
一晩掛けて川を渡ったんだろうかとかちょっと気に成った。

そんなこんなで夜の部も終了〜。
やー、今年も面白かった!


来年の地方巡業は、昼の部が仮名手本忠臣蔵の五段目「二つ玉の段」と六段目の「身売りの段」と「早野勘兵衛腹切の段」。それと「釣女」
夜の部が曾根崎心中の「生玉社前の段」と「天満屋の段」 それから「天神森の段」

釣女と天神森の段は景事に入る部類だよね。景事の演目好きだから楽しみ!
曾根崎心中は人気だから割と良くやる演目なので、生玉社前の段も天満屋の段も見た事あるけど、それでも楽しみ〜(´∀`*)


そんな感じで今年の文楽地方巡業でした〜。
瀧水さん、毎年お付き合い有り難う!来年も宜しく!w
posted by サキク at 23:56| 芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする