2006年02月15日

本日の読書。 (私的には)資料方面

図書館に行ったら、特集コーナーが着物だか着付けだかで着物関連の本が纏めてあった。
着物に関しては、着物着た人ばっかり描いてる上に、それも野郎ばかりなので男性向けの着物の本があったら片っ端から飛びついてる私には有り難い特集でした。(女性の着物は自分が着てみたらなんとなく分かるし、そもそも本も沢山あるから困らないんですが、男性向けとなるとそうも行かなくてなー)
普段は自分が行ける範囲の図書館の棚に並んでる物しか手に取れないけど(目当てが分かって予約して取り寄せる本は別として)こうやって特集されると、他所の図書館の関連書籍も一緒に並べてくれるから有り難い。
男性向けの着物の本は元が少ないから、借りる方も「あるヤツ全部見ちゃったヨ」になってまうんだけど、こうやって集るとそこそこの冊数もあるので新しい選択肢が増える。並んでると中身見て「これは」ってのを借りられるし。

何冊か借りて、着付けの本は写真を見て大体終了。手順だ説明だは他に手持ちの本があるので今更読まなくてもなー、な感があるので。(本当は読み直して復習したが良いんだけどね)

男性の着物の本を手にする基準は何をおいても写真!まず写真。イラストより写真。そして出来ればカラー。
買うとなると高くなるけど、贅沢言ってらんね。
なので図書館で見かけると大変りがたい。写真見ながらスケッチしたり必要な所だけコピー出来るからね!
そしてその写真は立ち姿よりも色々と自然なポーズを取って呉れてるともっとありがたい。

だってその方が絵を描く参考になるんだものw


そんなこんなで今回借りた中で、本文までちゃんと読んだ本w

男のきもの 達人ノート 塙ちと/ダイヤモンド社

後、この達人ノートの初級者向けの「男のきもの雑学ノート」もありましたが、こっちはホントに初心者向けだったのでスルー。

達人ノートは副題に「もっともっと着こなし上手になりたい貴男へ。」と付いてるよーに、初級からちょっと着慣れて来た人向けの本。
なんでこの本を借りたかっつーと、写真が良かったからなんですが(笑)
「着こなし」にポイントを置いてるおかげか、色んな着物の着こなしの達人にインタビューに行って、その写真が載ってる。この写真が着付けメインの本と違って自然なポーズの写真だから絵を描く参考になるかと、って基準でですねw
着付けの本だと、着る手順の写真、着た後の正面、横、後ろ、程度の真直ぐ立ったヤツの写真ばっかりだからさー、絵を描く参考に成り難い訳ですよ。この辺ヲタ基準で申し訳ない。

さて、この本。着付けの本と違って「着こなし」の本なので、基本は素っ飛ばし。
こっちも今更細かい所を読み返すのも面倒なので有り難い。ラクチン。
色んな職業、ジャンルの方で着物を着ている人にインタビューしての記事が中心。
その職業なんかが多岐に渡ってるので、普通に読んでも面白い。職種によって着物に対するあれこれがちょっとずつ違うのも十人十色で参考になる(何の参考になるんだか)。

第一章は「着巧者が語る気こなしポリシー」
古武術家、落語家、イラストレーターが2人、建築家、講談師、大学生、彫刻家の8人に聞く気こなしポリシー。
それぞれの着方が面白くて、いちいち「なるほど」と思わせる。
古武術家さんの話なんか、日本人特有のナ/ン/バっつー歩き方の話から「古来、日本人は手を振って歩かなかった」と言う話も知れて面白かった。
左右の手足を別々に出す「ひねり」の躯の動かし方は洋式の物なんだってー。
んで、昔の人は走る事は武士とか飛脚とか、特別に走る練習をした者にしか出来なかったから、西南の役では庶民が官軍に徴兵された時、走る訓練を受けた薩摩の兵にあっちゅー間に追い付かれて斬られてしまったんだとか。なんか着物の話とずれて来てるよーな気がするけど「だから、躯を捻らずに歩く本来の日本人の歩き方、所作をしてると着物は着崩れない」んだそーです。
なるほど!
手足も出すなら右手右足、左手左足、と一緒に出すんだそーですよ。明治時代までは日本人は手を振って歩かなかったんだー。そもそも着物は躯を捻らない日本人特有の動きに添った衣服なんだそーな。
鍬鋤を振り上げる位の動作に向いてるんだとか。


‥‥そうなると明治時代中期の人はどうだったんだろう‥‥(←取り合えず描いてる時代のジャンルに当てはめるのは基本)

いやぁ、この武術家さんの話がいちいち面白くて勉強になりましたわー。

欧米人は筋肉を重視する。日本人は骨を重視する。筋骨隆々の体躯には着物は向かないけど、日本人には〜って話とか。ほぅほう。
後で出て来る仕立屋さんの話で「肩に筋肉が付くと、裾が上がるから」って相撲取りの着物の話が出てたけど、そこに通じる物があるなぁ。

第二章は「きものプロが伝授する、ここが急所」
アンティーク着物を買う時のポント、ネットオークションなどでユーズドを買う時のポイント、Webショップで買う時の色々。着物で旅をするポイント。足袋や下駄、帯の話。結城、大島、江戸小紋の知識。洗い張り専門家からの洗い方のコツ。悉皆(シッカイ/なんでも屋さんみたいな物)に聞く目から鱗の意外な脱常識の話。プロの着付け師のアドバイス。
どれもこれも「ほうほうなるほど!」ではあったけど、普段の着物の手入れや着こなしなんかの話なので、絵を描く方の参考になったかっつーとそれはまた別の話でw
でも着物の手入れなんかは普段の話に通じるので参考になりました。実生活の方で。

着物を保管するのに使う畳紙(たとうし)って、ホントは着物の保管に向かないんだってー!
布(糸)が呼吸するののさまたげになるから、シミなんかの原因になっちゃうんだってー!
だから畳紙に入れてる着物は年に二回は虫干しするのが良いんだってー!
後、煙草の煙りも大敵なんだってー。桐箪笥に入れてても、煙草の煙りが桐の目を詰めて、中身が呼吸出来なくなる上に、ヤニで黄ばみの原因になるんだってー。
一番良いのはウコンの風呂敷に包んで、葛籠に入れて土蔵に仕舞っとく方法なんだってー。

そして下駄を履いての歩き方まで書いてあったのは驚いた。
私は普段、草履か下駄かを履いてるので、「こんなん、履き方まで習わないと履けないのかー」とか思うけど、確かに祭の時なんか如何にも履き慣れてない感じでよろよろばたばた不格好に歩いてる人を多く見かけるもんなぁ。
あれはやっぱり慣れじゃよ。

着物の着こなしも「習うより慣れろが基本」と、皆さん仰ってましたが。何事もそうですね。

以前友達が靴を買うのに、ピンヒールをフィッティングして、お店の人に「大丈夫ですか?」と言われるのを平気な顔してさっと立ってすっすっと歩いて、店員さんが「ああ、履き慣れてらっしゃるんですねぇ」と言われたって話と同じだなー。とか思いましたw
あれも慣れてないと真直ぐ歩けずにヨロヨロと不格好な歩きになっちまうからね。

下駄はカラコロ鳴らして歩くのは下手な歩き方だと思ってる私ですが、本の中でも(草履だったけど)足裏を見せないように、底を足にぴったり付けて歩くのが基本、みたいな事を言ってて、うんうんそうだよね、と頷いてしまいました。
でも草履は良くぺたぺた言わしてしまうんだけどw(←これは底が離れるから、後から付いて来てぺたぺた言っちゃう)

後、足袋の手入れっつーか洗い方も書いてあったんだど、私、手持ちの足袋、こんなに丁寧に洗った事無いやー(笑)
手洗いとか絞り方とか干し方とか。色々説明してあったけど、儂、いつも洗濯機に放り込んで他の靴下と一緒に脱水機にもかけてそのまま干してるやー。あはは〜。

第三章は「達人のオーダーメイド図鑑 -着姿をアップする小道具」
ここは着物ではなく、小物の紹介。
袴から始まって、襦袢、風呂敷、唐木指物、足袋、畳紙、扇子。
そして「お坊さん物の専門の法衣店にはお役立ちグッズがザックザク」と、普段馴染みの無い坊さんの使ってる小物の紹介が。
籐の汗避け肌着なんか、ごっつ便利そうでしたよ!肌着だけでなく腕貫もあってですね!これを着けて着物を着ると、通気性は良いわ着物が直接肌に触れないから汗も付き難いと来たもんだ!かなり欲しい(笑)

参考までに本文中で紹介されてた法衣店のサイト→ http://www.suzukihouiten.jp/
スゲー、このサイト、商品見てるだけで楽しい(笑)
商品検索→肌着→汗除 で上記の籐のが見れます。こんなん使ってたのか、坊さん。
しかしそれはそーと洋服法衣ってのはどうかと思うんですが(笑)←ちうか、フツーのスーツ&コートにしか見えませんが。

他、風呂敷の所で紹介されてた百鬼夜行柄の風呂敷がごっつ欲しいです。古代紬の絹地の上に草木染めな手染めなので阿呆高いですが。

第四章は「達人に聞く着こなしのワザとコツ」
ここではまた色んな人へのインタビュー。
和裁技能士会会長、和裁マイスター、仕立師、着物専門モデル、それぞれの人が持ってる着こなしのポイントが聞ける。これがまた面白い。

何よりも仕立師の方のお話が興味シンシン。「洗える着物の開発」なんかやられてるモンだから、もう食い付きまくり。
自宅で洗濯機で洗える着物を素材から開発してるんですってよ!
織師の方を説得して共同開発!独自の技術でついに商品化!超欲しい。
「洗える」シリーズは色々。まずは洗濯機が使え、ノーアイロンの<長襦袢>。絹100%なのに洗濯機で洗っても縮まない!スゲー!
変わり織り航空絹布の<裏地>。素材は羽二重で、その昔にパラシュートクロスとして気球やパラシュートに実際使われていた素材。軽くて薄くて丈夫。
茶席にに着て行けて洗濯も出来る無地のたて<紬>。
絹の風合い、木綿の丈夫さの<肌着>。
トイレ問題も解決、シワ加工の航空絹布の<ステテコ>。
紐は絹、生地は四種類の<越中褌>。
夏にお誂え向き、<柿渋夏紬><生平角帯>。
唐桟も三種類の洗えるタイプがあるらしい。しかもリバーシブルの物まであったり!
スッゲー!超イいじゃん!多少高くても手入れが楽ならそれ買うよ!

他の方の話では、袴の腰板にもちょっと模様を持たせてみたりしてる和裁マイスターさんやら、歌舞伎役者を目指した頃に八代目松本コーシローから伝授されたと言う晒の「茗荷巻き」。腰回り(帯の位置)に晒を茗荷のように(ゲートルみたく)巻くと、着崩れし難くなるそーです。歌舞伎役者さんの間では普通なんですかね?「いい方法なのに、どうして普及しないのかな」と実践者の方は仰ってましたが、筆者が「歌舞伎界の方たちへのきもの取材で、是非下着から公開してくれたらと願うばかりだ」と言ってる通りだと思います(笑)
良い方法でも知られてないと埋没して行くのじゃよ。

所で最近の着物は色々現代向けにアレンジもされてるんですが、袴にも前ファスナーが付いたりしてたりするのもあるそーですよ。憚りに行くのに楽なようにですかね。前ファスナーだけでなく、股下全体にファスナーが付いてて大便が楽なのもあるそーです。
進化してるんだね〜。

巻末には本の中で紹介されてお店の一覧もあって便利。
本文中で紹介されてるお店は「行ってみたい」「見てみた」と心を惹かれるので、いつかこっそり覗きに行ってみたいです。こっそりw

何より、この本、筆者の方の文章が巧くて読み易い。
語り口調でさらさらと書かれているから、すらすら読める。
半分はインタビュー仕立てだから、雑誌の記事のよーな感覚で読めます。

着物の写真を目当てに借りてみた本だったけど、意外に他の所で色々参考になって勉強になった本でした。
ああ、面白かった。
posted by サキク at 21:58| Comment(0) | TrackBack(3) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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